所得税と健康保険の扶養の違い
2017年10月30日
執筆者: 加藤 博明

この時期になるとよく耳にするのが、「配偶者の年収がいくらまでなら扶養に入れますか?」という質問です。
いわゆる「扶養」の範囲は、所得税と健康保険(協会けんぽの場合)では違いがあります。
一番わかりやすい例としては、年収が所得税なら103万円(合計所得38万円)以下【H30年からは年収150万円(合計所得85万円)に改正されます】、健康保険は130万円以下であるという基準があります。

単純に年収といっても、所得税の場合はこの年収には通勤手当(非課税分)は含まれませんが、健康保険で年収を計算する場合には通勤手当(非課税分)も含めて130万円を計算する必要があります。以下、簡単にその違いを比較してみます

【 扶 養 の 条 件 】
(所得税)             (健康保険)
年齢      16歳以上              75歳未満
内縁関係     NG                 OK
同居の有無   原則、同居           親族の範囲によって同居必要
控除額の差   安くなる               変わらない
年収      103万円              130万円
*H30年からは150万円
その年の1/1~12/31       この先1年
通勤手当(非課税分)含めない    通勤手当(非課税分)含める

(注意点)
健康保険の場合、上記の要件をクリアしていたとしても、働き方によって勤め先で社会保険(健康保険と厚生年金)に加入しなければならない場合もあります。
同じ職場のフルタイム労働者の方の
①労働時間、
②労働日数の概ね3/4以上であると、パート、アルバイトに関係なく社会保険に加入する義務が生じます。
また、H28.10月からは従業員数501人以上の企業で働いている場合は
①1週間あたりの決まった労働時間が20時間以上
②1か月あたりの決まった賃金が88,000円以上
③雇用期間の見込みが1年以上
④学生でないこと
①~④の全ての要件を満たす場合には社会保険に加入しなければならなくなりました。これからは勤め先によっても条件が変わることになりますので注意が必要です。

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