「女医」と呼ばれる立場からのあれこれ話
2018年4月17日
執筆者: 川口千佳子

認知症のお話に関しては私よりずっと認知症に詳しい先生方がすでにコラムを書いていらっしゃるので、私が書けるものは何かな、と考えた結果このような題になりました。私的な話ですので軽く読んでいただけるとありがたいです。

「女医」と言う言葉はあっても、「男医」はなく、「雌」言う言葉は比較的軽蔑的に使われることが多いのに対して、「雄」と言われると男性的には魅力的な響きに聞こえるのではないでしょうか。
このような書き出しをすると男性社会に不満があるように聞こえるかもしれませんが、ありがたいことに私の両親は高校生の私にボーボワールの「第二の性」を読むように勧めるような人達で、ジェンダーを意識するような教育を受けてこなかったために、女だから、と考えることなく大人になる事が出来ました。割と自由です。

先日JAMA international medicineの論文で女医が診療したほうが男性医師よりも入院中の死亡率が低く、退院後の再入院の率も低いというのを目にしました。
考察として女医の方が診断基準に詳細に沿う傾向があるとの事でした。確かにその傾向はあると思います。
このデータからするなら現在日本では20%程度の女医さんがより増えると良いような気もします。
いまに人工子宮なるものも開発され、受精卵を入れておけば10か月後に子供を受け取れるシステムになるかもしれないですし(人工子宮で育つ子供や親の精神面の影響はこの際考えないことにしますね)そうなるとますます男女差が減る事でしょう。

うちのクリニックの院長は男性ですが時々受診は「女医さんがいい」というリクエストを受けることがあり、女性特有の生理や妊娠悪阻や更年期の相談を受けることもあります。
しかしお話を聞き“それ、私の方が症状ひどいかもな…”といった経験者ゆえに全然優しくない考えが浮かんでしまうこともあったり、細やかさを期待して女医さんを希望されるのなら、アイロンがけも、お料理の切り方も盛り付け方もどう考えても主人の方が丁寧で綺麗で細やかだけどな、などと思ったりしています。ごめんなさい。

男女を分けて考えたくないと言いながら、地域の年配の男性が、女性(何歳でも!)がいると場が華やかになる、と言った話はとてもうれしく感じますし、病院にかかりたがらない認知症の方がなんとかうちのクリニックに来てくださったときには軽いボディータッチをさせていただきながら来ていただいたことに感謝を伝え、2度目からは“また来てくださったのですね!”と実際にうれしいのですが、“気持ち×10”くらいの笑顔でお迎えさせていただいております。
ふと気づいたら完全に女医の立場を利用していました。

とりとめもない文章になってしまいましたが、今後も「女医」として「医師」として皆様のご指導を受けながら成長したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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