脳神経外科クリニックにおける物忘れ外来の特徴
2021年10月10日
執筆者: 日暮 雅一

ほどがや脳神経外科クリニックの日暮雅一です。
今回、本コラムへの寄稿の機会をいただけましてありがとうございます。

私は、横浜市立大学医学部を卒業して後、同脳神経外科教室に入局し、主として脳血管外科や頭蓋底腫瘍に力を入れて働いて来ました。
一方で、地域密着で脳に関して悩む患者さんに気軽に相談してもらいたいという思いもあり、2016年に保土ヶ谷で開業するご縁となりました。

最近、脳神経外科ベースの認知症専門医 が増えている傾向があります。
同業開業の先生方と話をしていると、「MCIかもしれない」で相談してくる患者さんや、「認知症チェックというと抵抗する患者さんも、脳卒中予防としては前向きに受診してもらえる」という敷居の低いイメージの声を聞きます。

脳神経外科ベースの認知症外来の特徴として、クリティカルな脳外科疾患から除外できるメリットや、水頭症も診断しやすいなどがあります。
また、脳卒中診療で培われた機動性を活かして、ケアプラ ケアマネ 患者 他科クリニックなどから、早急に診断して介護意見書を早く作成してもらいたいという需要があるように感じます。
一般的に脳神経外科の先生方は、神経内科や精神科の先生方とのつながりも強いので、例えばパーキンソンがみられれば神経内科の先生へ、難治なBPSDがみられれば精神科の先生と連携しやすいと思います。
認知機能が比較的軽い患者さんが多く集まりやすい脳神経外科クリニックとして、今回ご縁をいただけた認知症予防医学はとても大切だと感じます。
最新の認知症予防のエビデンスをオピニオンリーダーからいただき、いち早く患者さんに還元できるよう努めることも、これからの使命と感じます。その中で、本人だけでなく家族の認知症ケアの学習も必要で、ケアのコツを指導していくとともに、わかりやすい本や信頼できるサイトの紹介にも注力していきたいと思います。
保土ヶ谷近隣お住まい、沿線の方は是非お気軽に当院を活用してもらいたいと思います。

執筆者プロフィール
日暮 雅一 Masakazu Higure
医療法人社団 正念 ほどがや脳神経外科クリニック   理事長/院長

医学博士(神経薬理学)
日本脳神経外科学会専門医
日本頭痛学会専門医/指導医
日本脳卒中学会専門医/指導医
日本認知症学会専門医/指導医
認知症サポート医
日本医師会認定産業医
身体障害者福祉法15条指定医(肢体不自由 言語咀嚼)
難病指定医
自立支援指定医療機関(てんかん)

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