体と共に生きる〜健康の先にある、本当の笑顔〜
2025年9月6日
執筆者: 金尾玲生

サーフィンにおいて、「体」は心や技と同じくらい大切な柱です。
どんなに精神が整っていても、どれだけ技術があっても、体がついてこなければ、最高のパフォーマンスは発揮できない。そして何より、その瞬間を「心から楽しむ」ことができなくなってしまう。

でも僕が目指しているのは、ただの“強い体”じゃない。
海という自然と調和しながら、しなやかに動ける体。
見た目の筋肉量や重たいウェイトを持ち上げる力よりも、関節の可動域、体幹の安定性、そして何より「回復力(リカバリー)」を重視しています。

日々のトレーニングでは、大きな負荷をかけすぎることなく、基礎体力やバランスや柔軟性を意識したメニューを中心に取り組んでいます。体幹トレーニングやバランスボールなどの動きを取り入れることもあります。
実はかなり辛く、一見地味なメニューかもしれないけれど、自分の身体と丁寧に対話するような感覚があって、僕はすごく好きです。

食事も、パフォーマンスを支える大切な要素のひとつです。
朝、海に入る前には、エネルギー源としてフルーツやナッツを摂るようにしています。トレーニング後や試合後は、たんぱく質とミネラルを意識しつつ、必要に応じてプロテインなどで足りない栄養を補います。ナチュラルでヘルシーな食事をベースに、“自然の恵み”をそのまま取り込むような食生活を心がけています。

ただし、完璧を求めすぎないのも、僕のスタンスです。
すごくたまにジャンクなものも食べるし、甘いものも普通に好きです。
「たまにはいいよね」って、自分を許してあげることも、心と体の健康には欠かせないと思っています。ストイックすぎず、ゆるすぎず。その“ちょうどいい”バランスを、自分自身の感覚で見つけていくことが大切なんじゃないかなって。

僕にとって「健康」とは、何か特別なことじゃなくて、
“毎日を笑顔で過ごすための土台”です。

波に乗るとき、仲間と笑い合うとき、大切な人たちと食卓を囲むとき、
どんな瞬間も、自分の体が元気であることが、そのすべてのスタートライン。体があるから、感じられる喜びがある。体が整っているからこそ、心も技も自然と整っていく。そんなふうに思います。

そして、何より大切にしているのが「今を生きる」という感覚。
未来のために今を犠牲にするんじゃなくて、“今この瞬間”を丁寧に感じて、大切にする。
心の声、体の声をちゃんと聞きながら、今日という一日をしっかり味わうこと。それが、健康であるということの本質なんだと思います。

僕は、極端に聞こえるかもしれないけれど、
「明日が来なくても良い」と本気で思っているんです。
もちろん、やりたいことはまだまだあるし、夢も目標もある。でも、未来のために“今”を我慢する生き方はしたくない。今日という日を、自分らしく、心から笑って過ごせたなら、それで十分。だからこそ、体の声に耳を傾けながら、今この瞬間にちゃんと向き合っていたい。

サーフィンも人生も、結局は「今の連続」。
波が来るかどうかなんてわからない。でも、その瞬間にちゃんと乗れるかどうかは、日々の心と体の積み重ねにかかっている。
健康とは、“未来のために整えるもの”ではなく、“今をちゃんと生きるための基盤”なんです。

そしてその先にあるのが、自然な笑顔。作られたものじゃない、心からの笑顔。
それが、僕が求める“本当の健康”であり、“自分らしく生きる”ということなんだと思っています。

執筆者プロフィール
金尾 玲生 Reo Kanao
プロサーファー
株式会社JAZROCK 代表取締役

茅ヶ崎市出身
THE SURFSKATERS元チャンピオン
湘南の自然とともに育ち、プロサーファーとして数々の大会に出場
現在は自身のアパレルブランド「SOLID」なども展開し、世界のBIGWAVEへチャージしている

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