年末調整について
2017年11月30日
執筆者: 加藤 博明

サラリーマンの方は職場で、年末調整の準備をしてくださいと経理の方から年末調整に必要な書類を渡される時期になってきたと思います。今回は、この年末調整について説明させていただきます。

年末調整とは、毎月の給料から徴収されている源泉所得税の1年分の合計額と最終的な年間の所得税との過不足を精算する制度です。調整計算は会社で行われますので、年末に渡される『扶養控除等(異動)申告書』、『保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書』に必要事項を記載し、生命保険料・地震保険の控除証明書を添付して会社の経理の方等に提出し、最終的な所得税が計算されます。住宅ローン減税をうけられている方で2年目以降の方(初年度は確定申告が必要です)は税務署から送られてくる『給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書』に借入先の金融機関から送られてくる『住宅取得資金に係る借入金等残高証明書』を添付して、住宅ローン減税を受けることになります。年末調整により計算された所得税と、1年間に源泉徴収された所得税の合計額とを比べて徴収された源泉所得税の方が多ければ還付、少なければ足りない分を徴収されます。年末調整という制度により大部分のサラリーマン(給与所得者)が確定申告をすることなく、その年の所得税に納税を完了することになります。年末調整を行う時期は、通常は12月に行われ、12月の給与か翌年の1月の給与と併せて精算されることになります。

年末調整の対象となる人は次のとおりです。
(1)1年を通じて勤務している人
(2)年の中途で就職し、年末まで勤務している人
(3)年の中途で退職した人のうち次の人
①死亡により退職した人
②著しい心身の障害のために退職した人で、その退職の時期からみて、本年中に再就職ができないと認められる人
③12月中に支給時期の到来する給与の支払いを受けた後に退職した人
④いわゆるパートタイマ―として働いている人などが退職した場合で本年中に支払いを受ける給与の総額が103万円以下である人(退職後本年中に他の勤務先等から給与の支払を受ける見込みがある場合を除きます)
⑤年の中途で海外の支店へ転勤したことなどの理由により非居住者となった人

年末調整の対象とならない人は次のとおりです。
(1)本年中の主たる給与の収入金額が2,000万円を超える人
(2)災害により被害を受けて「災害被害に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律」により、本年分の給与に対する源泉所得税の徴収猶予又は還付を受けた人
(3)年の途中で退職した人で、上記(3)年末調整の対象となる人以外の人
(4)2か所以上から給与の支払いを受けている人で、他の給与の支払者に『扶養控除等申告書』を提出している人(いわゆる乙欄適用者)
(5)継続して同一の雇用主に雇用されない日雇労務者(乙欄適用者)
(6)非居住者
(7)年末調整を行う時までに『扶養控除等申告書』を提出していない人

年末調整の制度は、サラリーマン(給与所得者)にとって、確定申告をしなくて済む便利な制度ということになりますが、一方では、年末調整のもととなる源泉徴収制度があることで、国においても税金の取りぱっぐれが少なくて済んでいるといわれています。この源泉徴収制度により、給与所得者のほとんどの方が、年間どれくらい税金を納めているかという事を知らないとも言われています。この事をあらわしている表現で、『給与』の金額と聞かれた時に、経営者は『給与の総支給額(税金等の差し引かれる前の金額)』を話し、従業員は『給与の手取り額』を話すといわれています。 最近では、住民税の『ふるさと納税』制度により、以前よりも多少はご自身の納税金額(この場合は主に住民税になると思いますが・・・)に興味を持たれる方も増えてきたとされていますが、これからの時期はまさしく、年末調整の時期になりますので、一度、ご自身が年間どれくらいの所得税を払っているのか確認していただくのもよいかと思います。

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