贈与税の配偶者控除
2018年1月23日
執筆者: 加藤 博明

婚姻期間が20年以上である配偶者から、居住用の不動産又は居住用の不動産を取得するための金銭を贈与により取得した場合に、その財産に係る贈与税の課税価格から2,000万円(配偶者控除額)を控除することができます。言い換えると居住用の不動産の価格のうち2,000万円までは贈与税がかからないで配偶者へ贈与することができるという特例です。

①既に配偶者の方の不動産に居住している土地又は建物のうち2,000万円分を贈与してもらう場合は、贈与を受けた年の翌年3月15日までに居住しかつその後も引き続き居住し続ける見込みであることが要件となります。

②新たに居住用不動産を購入するための資金を贈与された場合には、贈与された2,000万円をその居住用不動産の購入しきんに充当し、更に翌年3月15日までに居住し、その後も引き続き居住し続ける見込みがあることが要件となります。

婚姻期間20年以上の判定は、婚姻の届出があった日から贈与の日までの期間により計算します。したがって入籍されていない期間は婚姻期間に含まれません。また婚姻期間に1年未満の端数がある時はその端数は切り捨てとなりますので、例えば婚姻の届出から贈与の日までが19年10か月である場合にはこの特例が受けられない事になりますので十分注意が必要です。

通常の贈与(暦年贈与)の場合には、亡くなる前3年以内の贈与については相続財産に含めて相続税を計算しますが、この配偶者の特例は贈与のあった後、例えその年と同じ年に配偶者が亡くなった場合であっても、相続財産には含めずに相続税を計算することになります。ただし、相続税の計算上は相続財産から除外されますが、遺産分割上は、贈与された財産も含めて他の相続人と遺産分割を行う事になります。この点は、税法と民法との違いがあると言えます。ただし、最近民法改正の動きがあり、居住用財産の配偶者への贈与を遺産分割に含めないとすることや、贈与がない場合であっても、配偶者に一定の居住権を認める動きもでてきています。
また、今まで親の介護等の面倒をみてきた人の寄与分がなかなか認めてもらえなかったり、そもそも相続人以外の人(例えば、親と同居している長男の妻)
などが介護等の面倒をみても何等の手当てがされてきておりませんでしたが、今回の改正では、相続人以外の人でも、介護等の面倒をみた等の場合に相続人へ何らかの請求ができるような改正の動きとなってきております。

今後、詳細が決まってくると思いますので、新聞等で注意してみてください。

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