私にとって音楽とラジオとは、「感覚・感性・感度」の維持。発見と回想を発信するコミュニケーションツール。
そして、大切にしていることは、遊び心と一工夫である。
そんな思いもあって39年前の1983年に自宅の仕事部屋に30万円の予算で放送機材を揃え、ミニFM局を開局し親子三人の放送局として放送遊びをスタートさせた。微弱電波の為町内会放送局程度であったが、ポスティングなどPRを繰り返しているうちにリスナーも増え地域内のミニ放送局としての形が出来た。親子三人が毎週土日の週2回に交代でマイクに向かって音楽とおしゃべりがメインの番組を楽しんでいた。
この放送遊びが13年目で放送回数も1000回となったちょうどその頃、レディオ湘南の開局準備室の関係者が、親子三人のミニFM局の存在を知っていたことからレディオ湘南へ是非参加をと声がかったことから自宅のミニ放送局を閉局し1996年4月のレディオ湘南開局から参加。現在「ざいつきげんの音楽鍋」という番組をもって26年目である。
番組の特色は、昭和のラジオ時代に育ち1950年代から1980年代のスタンダードな洋楽は勿論、当時の流行歌(歌謡曲)をリアルタイムで聴いていることや音楽業界の交友関係から様々なジャンルの音源の提供もあり、良質で楽しめる音楽を絶妙な選曲と構成で鍋に入れる!これが音楽鍋というラジオの面白さを知り尽くしている、在津流のラジオエンターテインメント番組にとして放送している。
2015年8月頃に鵠沼公民館で、音楽鍋の出張ライブ(出前)という話が持ち上がり11月に「音楽元気講座」として開催したところ、好評を得て2022年12月には14回目の開催が予定されている。
「音楽元気講座」は、高齢者~後期高齢者を対象に、昭和を彩った洋楽~歌謡曲(流行歌)を素材としたその時々のテーマに沿って音楽鍋流の選曲と構成でたっぷり2時間を毎回80名を超える人気講座として定着している。
長く続けているラジオ番組の中で社会貢献のできるプログラムなはないものかと考えていた2016年頃に認知症の専門医である「内門大丈」先生との知遇を得たことがきっかけで先生とかなりの頻度でお会いすするたびに、「音楽で認知症を取り巻く環境をハッピーにできないいか」とうテーマでの音楽談義で盛り上がりその結果、「認知症と共に生きるフレンドリーな社会のために!」という認知症を意識した実験的な音楽CDの誕生に結び付いた。
内門先生と交わしていた「認知症と音楽」がヒントとなってスタートしたのが、私のラジオ番組で内門先生出演で発信しているのが「音楽鍋的認知症サミット」である。
認知症の知識と理解・認知症の発症&進行を遅らせせるための、認知症遅延対策と銘打っての基礎的は内容を繰り返し発信するという趣旨をテーマにした内容を毎月一回程度のスタンスですでに14回を数えている。
リスナーからの反応も良く「ざいつきげんの音楽鍋」も嬉しい限りである。今後は、内門先生のサポートを受けながら「音楽鍋的認知症サミット」をさらに充実させながら継続することである。
また、高齢者~後期高齢者向けに鵠沼公民館が行っている「在津紀元の音楽元気講座」は、14回を重ねこれまで延べ1200名ほどが参加している。
当時流行った音楽を聴くと若かりし頃の文化風俗やその時の自分が想い出と共に蘇る。
これこそ脳に具体的な刺激となって認知症の発症や進行を遅らせる回想法の一つと評価されていることもあって、今後は、音楽鍋の出張にも取り組んでみたいと考えている82歳の老いたラジオの伝説?のDJである。