愛車遍歴の始まりはスバルから・・・
1968年頃だったと記憶しているが当時晴海で開催されていた「東京モーターショー」に出展する富士重工のモーターショープロジェクトに参加していた事が縁となって360ccで2気筒“スバルR2”を購入したのが我が車人生の始まりである。個性的なスバルのフアンとなり、その後に最新の“スバルREX”に乗り換えた。数年後に担当セールスマンの誘いで最新型の“スバルレオーネ1300”の展示会へ行き、一目惚れして即決で購入。軽自動車から茶色の“スバル レオーネ1300cc”にランクアップした瞬間の感激は記憶に深く刻まれている。富士重工のスバル車ユーザーはトヨタやマツダや日産と比べて少数派だけれど個性的というところに魅力を感じていた。ある時、外車のディーラ「ヤナセ」の営業担当との知遇から外車の魅力を感じ始めた頃に戸塚ショールームを覗いたら左ハンドルで真っ赤なVWのゴルフが目に飛び込んできた。外車の遊び心にくすぐられたのである。気が付いたら長年付き合っていたスバルレオーネが、“左ハンドルの真っ赤なゴルフGT”に変わっていた。
愛車遍歴第二章は、ゴルフから・・・
ゴルフGTの修理と定期点検の際に提供された代車の“アウディ”は、ドイツ車ならではの重厚さと品の良さに惑わされ、数年乗っていたゴルフからアウデ200に買い替え満足していたが、3~4年ほどたったある日アウディのエンジントラブルで即入院。提供された代車がベンツ。これには恐れ多く乗れないので断ったところ迫力のあるアメ車で、90年モデルの“シボレーカマロ・スポーツクーペ”が来たのである。カマロとの出会いは実に衝撃的でひと目惚れ。“カマロスポーツクーペ”が車庫に収まったのは1か月後であった。国産の主流派を占めているメーカーの人気車種よりも、個性的で一味も二味も違うところに遊び心を感じが心地よく、こだわる気持ちは今も不変である。私の車遍歴を改めとみてみると、車選びは遊び心と自己演出だと感じていた。
“シボレーカマロ・スポーツクーペ”は、全長4885・幅1860の6気筒で4900ⅭⅭという派手で目立つ超ビッグに心が躍っていた。ブルル~ン・ヴォワ~ン・ドゥワ~ンと独特の身体を震わすエンジン音に遊び心を感じながらの走りは、スバルR2で10時間要した滋賀県の彦根行きが6時間弱で走破。
当時湘南海岸を我が物顔で爆走する暴走族も一目置いて道を譲るほどのオーラを発していた。かっ飛ばすカマロを“じゃじゃ馬レディ”と命名した。
新しい相棒 “シボレーカマロ・スポーツクーペ”~じゃじゃ馬レディー
思いのほか従順で操縦性抜群の“じゃじゃ馬レディ”も10年経つとあそこが痛いここが痛いと云い始めた。なだめたりすかしたりしながら乗りまわしていたが、メンテナンスの度に高額な維持費と高額の修理費が限界に達したので泣きの涙で別れを告げてVW“ゴルフ カブリオレ”に乗り換えたのである。
ゴルフ カブリオレはドイツ産らしく遊び心にかけてはいるが少し気取った硬めボディーラインとフルオープンできる幌とのコンビネーションが絶妙で適度に気品を醸しだしていた。届いたその日に幌をフルオープンにしてR134から箱根を目指していた。丸見えの空から舞い込んでくるヒンヤリとした空気を全身に受けての走りは開放感に溢れる感覚は実にシンプル。走りもどことなく品がある。早速“天使のカブリオレ”と命名し新しい付き合いが始まった。
犬の寿命が14~5歳といわれているが車も同様で9~10年を過ぎると、経年劣化が始まり、整備や定期点検をするたびに修理する箇所が増えはじめ費用も高額。それでも労わりながら12~3年が経過した頃からシンボルである幌に綻びが目立ち、足回りにも急激に大きな傷みが目立つようになり悲鳴をあげ始めていた。
愛車遍歴最終章は、太めのマドンナ・・・
5月のある日、躑躅の鑑賞に箱根の山のホテルへ向かった時のことである。
普段あまり走らない旧東海道で芦ノ湖を目指し快走していたが、箱根旧街道資料館と甘酒茶屋の標識が見えあたりからボンネットから白い煙がもうもうと立ち昇り、天使のダッシュボードからも噴出し車内は白い煙に覆われ、甘酒茶屋の前で完全にダウン。JAFを呼んで自宅近くのディーラーへ移送し長期入院と云う始末。ディーラーから戻ってきてからも優しく乗りまわしていたが、再びトラブルが起きるのではないかと心配しながらの運転は健康的に良くないので天使との別れが近いかもしれないと思いはじめていた。
そんなある日、ヤフーのニュースを見ていたらTOYOTAの超コンパクトカー IQに2シーターバージョンを新たに発売すると云う記事が目に付いた。IQはかねてから興味があったので早速近くのディーラーに試乗の約束を取り付けた。
数日後に試乗しその日に天使のカブリオレを下取りにして購入を決めた。14年間14万キロも連れ添った“天使のカブリオレ”との長い付き合いに終止符を打ったのである。新しい相棒となった1000ccのTOYOTA “IQ・2シーター”の全長は2985mm全幅が1680mmと云うサイズはまさにビヤ樽タイプ。ユニークなモノコックボディーラインが可愛らしく軽自動車より小粒だけれど、個性的でどこかセクシー。これに乗っていると当時は少数派という事もあって珍しく、多くの視線を集めていたがこれも自己演出的な遊び心。早速“太目のマドンナ”と命名した。
太目のマドンナは見た目よりも軽やかな走りが新鮮で面白い。10年経った今も健在で楽しんでいる。TOYOTA車ではあるが、少数派であるのが嬉しい。
音楽は遊び道具・快適ドライブの相棒である
ドライブと音楽は常にセット。アウディの時はフユ―ジョンやヨー-ロピアンサウンドが多かった。じゃじゃ馬レディの時は、ジャズやブルースロックが主流。
天使のガブリオレの時は、60年代~70年代の洋楽。。太目のマドンナになってからは、マドンナ・ベビー・フェイス。レディガガなどが主流。車のタイプによって聴く音楽も変わってくる。音楽の楽しみ方には奥が深くこれも音楽が持つ不思議なパワだと改めて実感している。音楽は副作用のない生薬。薬効に懐かしい記憶の回想&青春回帰明日の活力源で心のオアシス。スバルから始まり8種類という50余年に渡る愛車変遷の記憶であるである。